LEDは主に、素材となる化合物半導体の種類や構造によって、
発光波長や発光強度に違いがあります。
今なお、さまざまなアプリケーションに応用できるようにLEDについての
研究開発が進められています。
今回は発光波長に着目し、それぞれの波長の光がどのように
利用されているか整理してみたいと思います。
(あくまで一例を挙げているのみですので、
実際にはもっと広い範囲で利用されています。
応用分野も研究開発によってどんどん広がりを見せています。)
①白色LED
白色LEDは幅広い可視領域のスペクトルを持つLEDのことで、
視覚的には白色に見えます。
その特徴から一般照明、自動車のヘッドライトなどの車載照明、
液晶ディスプレイのバックライトなどに利用されています。
白色LEDの原理については別の記事に記載がありますので
興味がある方はそちらもご覧ください。
(白色LEDの原理)
http://www.fiber-light-source-labs.com/tech/509/
②紫外線(UV)
・殺菌作用があり、より短い波長の紫外線ほど生体への影響が大きくなります。
殺菌作用を利用する用途としては
食品、農業、医療、下水処理、空気清浄などがあります。
・また、①の白色LEDと関連しますが、
白色光の広いスペクトルの光を出すために紫外LEDと蛍光体を
利用する方式があります。
・紙幣識別のためのセンサー用光源としても利用されています。
紙幣には偽造防止などのために特殊なインクが使われている部分があり、
紫外線を当てると模様の一部が発光します。
・工業分野では紫外線を照射することで液体から固体へ変化する合成樹脂があり、
それを固めるための光源として利用される場合もあります。
③可視領域(RGB)
可視領域の光はその名の通り目で見ることができるので
最もなじみのある波長帯といえると思います。
用途としては、表示機器、車載機器、装飾、センサー用光源、
可視光通信などがあります。
表示機器としてはLED電光掲示板などが一般的ですが、
LEDを使ったホログラム再生装置なども含まれます。
可視光通信については現時点では実用的な段階とはいえませんが、
IoTへの活用などが期待され、研究開発が進められています。
別の記事で可視光通信をとり上げているので、
興味がある方はそちらもご覧ください。
(可視光通信とは)
http://www.fiber-light-source-labs.com/tech/530/
④赤外線(IR)
赤外線は可視光より波長の長い光です。
皆さんになじみのある用途としてはリモコンなどで利用されているように、
赤外LEDとその波長の光を検出できる受光デバイスによる通信があります。
そのほかには、医療用のセンサー光源や、
フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)用光源などとして利用されています。
当サイトでは各種波長のLED光源を取り揃えております。
製品ページから仕様、価格などを参照することができます。
(LED製品一覧)