シングルモードファイバとマルチモードファイバ
光ファイバにはシングルモードファイバとマルチモードファイバがあり、
マルチモードファイバでは、コアの中を光が進むときに複数の進み方をします。
そのためファイバ中を伝播した光信号は大きくひずんでしまい、
長距離の高速信号伝送には用いられません。
ただし、安価であるため比較的短い距離の通信を行う用途で広く利用されています。
一方、シングルモードファイバはマルチモードファイバに比べコア径が小さく、
基本モードの光しか通りません。
光が伝播する際に信号波形の劣化が少なく長距離通信用途に利用されることが多いです。
通常のシングルモードファイバーにおいては
波長1.31um帯において波長分散(注1)がゼロになります。
それに対し改良を加え、
長距離伝送に有利な伝送損失が最小となる波長1.55um帯において
波長分散がゼロになるように設計された分散シフトファイバもあります。
(注1) 波長分散:波長によって信号の伝播時に異なる値の遅延が生じる現象。
そのためスペクトルの広がりによって信号波形にひずみが生じます。